Kiev88
キエフ倶楽部・北海道支部・北出張所
■ 2000.7.13 「MIR-3B 3.5/65」を追加しました。
■ 2000.7.13 キエフ倶楽部へのリンクを追加しました。

Kiev88 with ARSAT B 80mm 1:2.8
Kiev88 はウクライナ製の 6x6 SLR で、御存知のように Hasselblad 1000F のコピーである。
海外通販で US のショップから購入した。ウェストレベルファインダー付のボディに
80mm 1:2.8 標準レンズと 120 フィルムバック 2 個の基本セットがおよそ $300 で
購入できる。もちろん新品だ。ただし、Kiev88 の場合、新品であるかどうかよりも
きちんと動くモノであるがどうかが最大の問題である。
このカメラにトラブルが多いことは注文以前からあちこちで耳にしていた。曰く。
- シャッターのトラブルが多い。
- フィルムのコマ送りが怪しく、重なりがでるものが多い。
- ちょっとした操作手順の誤りですぐに壊れる。
- 光線漏れがある。内面反射も多い。
- 工場出荷の状態ではまずまともに動く代物ではない。
- ノーマル品でも運が良ければキチンと動く。
- いくつかのショップでは改造や調整を施してから販売している。
- といってもそれが必ずしも当てにならない。
- 単なる改造や調整ではなく、信頼製の高い部品に交換するのがミソ。
- 布幕シャッター改造品は動作音が抑えられるが安定しないという話もある。
- ミラーアップ改造品は更に取り扱い手順が厳しくなる。
どうせバクチなら安いセット。ダメモトで注文し、届いた品は案の定ダメだった。
説明書の他に「これをしちゃダメよ」という注意書きが入っている。
これがなんとも厳めしいので引用してみよう。
- シャッターをコックせずにスピード変更をしてはいけない。
- ミラーアップ機構のついたモデルではシャッターダイアルを反時計方向に回してはいけない。
シャッターに重大なダメージを与える。
- 巻き上げ/シャッターコッキング時にノブを引いてはいけない。
カメラの機構に重大なダメージを与える。
- 巻き上げ/シャッターコッキングノブは常に止まるまで時計方向に回すこと。
- フィルムマガジンを取り外しているときにシャッター幕にふれてはいけない。
- 遮光板を入れずにフィルムマガジンを取り外そうとしてはいけない。
- 無理な力を加えてはいけない。
これらの注意を怠るとカメラに重大なダメージが及ぶでしょう。
とまぁ、見事にいけないづくし。
操作手順を間違えないようにしてシャッターをチャージ、レリース。速度を変えると
1/125 にしたときにシャッターが開いたまま巻き上げられたり、低速が効かなかったり。
フィルムバックも一個の巻き上げギアが戻らない。ついでにファインダー像が随分傾いている。
マウント側からみると明らかにミラーがヘンなふうに傾いている。
という訳で交換依頼をして返送。
交換で届いたものは布幕シャッター、ミラーアップ機構付のボディだった。
ボディ価格が異なる(こちらのほうが高い)筈なのだがサービスなのだろう。まずはチェックとテスト。
- ボディとフィルムバックの接触面は平行がでていない。隙間が見える。
フィルムスプールを取り外して灯りの近くに持ってゆくと光線漏れがあることが確認できる。
これは後で毛糸でも貼ろう。平行もなんとかしたいが、フランジバック調整を考えると頭が痛いのでこれは保留。
- 布幕シャッターで随分静かになった。
前のものは昔のフォーカルプレンシャッターのブロニカ並みにけたたましい音だった。
レンズとフィルムバックを取り外してテレビ画面の前でシャッターを切るとスリット幅で
シャッターの開き工合がある程度わかる。まずは安定しているようだ。
- ミラーボックスには内面反射防止のための植毛紙(布?)が貼られている。
- レンズは F16 から 22 で絞りがほとんど動かないので、このあたりの露出は怪しそうだ。
- フィルム送りはセミオートマットだがスタートマーク式ではなく、覗き窓によって一コマ目を合わせる。
中枠取り外しノブを回すと圧板が後退するがフィルムの装填時にはノブを戻して、ガイドにフィルムを挟み込むようにする。
これを忘れるとフィルムが浮いたり、巻き上げがうまくゆかなくなったりする。
中枠をマガジンに収めるときに、最後でつかえた場合にはマガジン横の巻き上げノブを少し回すと良い。
最後にこのノブを反時計方向に回してカウンタを 1 にする。これについてはマガジンの説明に書かれている。
- フィルム送りはノブの回転で 1/4 程少ないが、とりあえず重なることはない。
このくらいの不都合はなんということはない。そう思えるようになればロシアもの(ウクライナだが)
カメラに随分染まっている証拠だ。とりあえずは好調だが、これがいつまでもつものやら。
- Pentacon Six (Kiev60)マウントに改造した製品もある。
レンズはそちらのほうが入手しやすいかも知れない。
- Kiev88 用レンズを Pentacon Six, Mamiya 645, Nikon F マウントのカメラに
付けるためのアダプタがあるらしいが、品切れとかで入手できなかった。
Kiev88 についての情報が得られる国内の Web サイト。お世話になってます。
手元にあるのが低解像度のデジタルカメラと 35mm のフィルムスキャナのみなので、作例の掲載は保留。
2000.3.16 追記
作例 (ARSAT B 80mm 1:2.8)
知り合いに頼んでフラットベッドスキャナで画像を取り込んだ。心配していた露光ムラや
露出のずれは感じられない。コンピュータディスプレイの画像ではわかりにくいだろうが、
十分すぎるほどの写りだ。こんなカメラ一式がコンパクトカメラ程度の価格で入手できるというのは
考えてみればエライことだ。ホンモノのハッセルなら中古のマガジンですら購入できないぞ。
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布幕シャッター。 オリジナルは銅?のような赤味のかかった金属幕。 これでシャッター音が随分静かになる。
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ミラーアップボタン。 布幕シャッターに加えてさらにショックを軽減できる。
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ボディとフィルムマガジンの合わせがきっちり平行になっていない。
遮光のために毛糸を貼り付けた。
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実は Kiev88 使用上の注意はまだある。
たとえばフィルムマガジン着脱時には常に巻き上げた状態にしておかなければならない。
まぁこれはシャッターを切った状態ということでも同じなんだけど、この状態というのはボディとマガジンで連係しているから、
それが合っていないと正しい巻き上げがおこなわれない。
運が悪いとボディかマガジン、あるいはその両方が壊れるというわけ。これは取り扱い説明にも書いてある。
フィルムの巻き上げの際にはボディとマガジンのギアが噛み合っておこなわれるのだが、
このギアは全周にわたっているのではなく、一部切り取られたような形になっている。
不思議なのは少しずつギアの山が低くなっていることだ。
だから双方の噛み合いが離れる時期が怪しく、そのためにフィルムの送り量が少なかったりするのではと想像もできる。
ホントのところはわからない。本家の Hasselbrad 1000F も同じなんだろうか。
その後、キエフ88ガイドの辻さんにいろいろとアドバイスをいただいた。
氏によると、私のおこなった遮光対策はよろしくないらしい。漏光はフィルムバック外枠が出っ張っていることが原因で、
ここを削るのが良いということだ。私はここで位置決めがおこなわていると解釈していたのだが、それは誤りであった。
というわけで、それにしたがって措置したところ良好な結果が得られている。
また、コマ送り量の調整方法も御教授いただいた。氏のページに解説があるので参照していただきたい。
これはフィルムバックのギア側のカバーを開けて簡単におこなうことができる。機構は
ロムニーブックスに書かれているハッセルブラッド 1600/1000F の
ものとは若干異なっていて、そちらには同様の調整箇所は見当たらない。もっとも同書はリペアマニュアルとは言っても
分解・組立図が主で、調整についてはほとんど書かれていない。やはりハッセルと Kiev88 は似て異なるものなのだろう。
Kiev88 自体も製造年代などによって機構が多少異なっているようだ。
この他に Kiev88 に多いトラブルはシャッター回りであるが、こちらの調整はかなり難しいということだ。
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1976 年製の広角レンズ、MIR-3B 3.5/65。ロシアではなく、紛れもなくソ連邦時代の製品である。
この時代のものが新品同様で残っているというのが、時間の経過の早すぎる日本に棲む身には驚かされる。
マルチコーティングではなく、絞り羽根も赤味がかった金属色(これは金属シャッター幕と同じ材質のようだ)で、
フレアが心配だ。
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そのような心配を見越してか、実に巨大なフードが付属している。フィルターネジ径が 88mm で、
フィルター前部の径は 150mm を越えている。
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このページでキエフ倶楽部・北海道支部・北出張所を名乗っているものの本部へのリンクが切れていたりしたので改めて各部を紹介します。
Email:masato@bird.email.ne.jp