類語大辞典 [Books ]

二年ほど前に講談社から「類語大辞典」が出されて、このような文章を書くときなどにも重宝している。一方、辞書としてみると結構いい加減な代物であることも確かで、「講談社『類語大辞典』の研究――辞書がこんなに杜撰でいいかしら / 西山里見」というような批判もある。この批判はもっともであるし、類語大辞典が更に練られることは勿論望ましい。しかしながら、この辞典の使用法から言えば、これはこれで良いとも考えられる。つまり類義語を探すのは同じ意味のものというよりも、似ているが異なるものを探す作業であるから、このくらいの方がネタの幅が広がるかも知れない。夫々の正しい用法や意味は別の「きちんとした」辞書に頼れば良いのだ。このような辞書こそ電子化のメリットが大きいだろう。