Tue 11/02, 2004

論客商売 [Misc. ]

普段、芸能ネタにはとんと疎い私だが、「島田紳助さんを傷害容疑で告訴 吉本興業の女性社員(asahi.com の記事)」について、唐沢俊一氏小田嶋隆氏がそれぞれの web ページで感想を述べているのを見て、そのスタンスの違いが面白いと感じた。

唐沢氏は裏モノ日記 10/28 付で、業界(吉本興業)のかつての『健全な非常識』が最早通用せず、『世間の健全な常識』に合わせざるを得なくなったと喝破している。この件については特にどちらかの肩を持つような意見は書いていないが、現実に即した認識が持ち味だ。

小田嶋氏は偉愚庵亭憮録 11/2 で取り上げていて、基本的には唐沢氏と同じ見方をしているが、例によって斜めからみたような表現が面白い。当事者の二人よりも、むしろその周囲で強者の尻馬に乗っているような連中を揶揄し皮肉っているのだが、その基になっているのは公正でニュートラルな考え方だ。このような考え方は技術者などに良く見られ、例えば、ACCS 不正アクセス事件の被告である office 氏の法廷論争(佐々木俊尚の IT ジャーナルより、「検察官を翻弄しまくったoffice氏の奮闘」、「オヤジ系 vs 技術者系の溝は埋まるか」)でもそうした特徴が(極端な形で)あらわれている。強者の論理が横行する現実の前に建前が通らないことはままあるが、建前の顔を立てるくらいはして欲しいと私は思う。

で、「いつまでも紳助の記事がトップにあるのもイヤ」と言う小田嶋氏の次の記事がモノ哀しくも共感を呼ぶのだ。

[2004.11.05]
と言いつつ、小田嶋氏のページではネタが続いているが、あまり深入りしたくない。

[2004.11.12]
例えば山形浩生氏は「唐沢俊一は、その場その場でおもしろい論点は出しますし、それは傾聴に値しますが、長期的な一貫性その他はない」と発言している。掲示板では当の唐沢氏もそれを認めるような答えを返していたりする。

Posted by masato at 09:42 PM
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