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"FRDM-KL25Z: Kinetis L Series Freedom Development Platform" という Freescale 社の開発キットを購入しました。$12.75 (Digikey 価格で 1,174円)と最近のこの手のボードの例に倣って USB 接続のデバッガインターフェースを持ちながら非常に格安です。業界発の ARM Cortex-M0+ MCU である Kinetis L シリーズの KL25Z128VLK4 が搭載されています。Kinetis L シリーズは 32 bit MCU としては最も下の位置付けで、超低消費電力がセールスポイントとなっています。現在、Kinetis L シリーズにはベーシックな L0、汎用の KL1、それに USB サポートありの KL2 がラインナップされていて、将来は LCD サポートありの KL3、USB+LCD の KL4 が予定されているようです。これらは上位の Cortex-M4 MCU である K シリーズのラインナップに対応していて、グレードアップパスとなっています。
さて、このボードはどこかで見たような形ですが、想像通りに Arduino シールドコンパチブルな IO ピンが出ています。オンボードのインターフェースデバイスには RGB LED、3軸加速度センサ、それに静電容量スライダがあって、それらを活用したデモプログラムがプレインストールされていました。そして特筆すべきなのが OpenSDA というシリアル+デバッグアダプタです。LPCXpresso や STM*-discovery などの評価ボードにも USB 接続のデバッグアダプタは搭載されていますけれど、この OpenSDA はデバッガの他にシリアルとマスストレージまで付いていて、マスストレージはブートローダとしても機能します。同様のブートローダ機能は mbed や「がじぇるね」GR-SAKURA にもありますが、それらはデバッガが別口だったりします。つまり OpenSDA ではこれら両方の機能をひとつの USB ポートで実現しています。この OpenSDA ブートローダのソースコードは ARM 社の新しいデバッガインターフェースである CMSIS-DAP の一部として公開されていて、arm.com から取得できます(Freescale community: OpenSDA Source code)。FRDM ボードの OpenSDA は P&E 社がサポートしていて gdb 用のデバッグサーバとして機能します。OpenSDA の採用はこのボードが最初ですが、今後の採用が増えることも期待されます。
[2012.12.15 追記]
CMSIS-DAP は mbed でもサポートされるそうです。http://mbed.org/handbook/CMSIS-DAP
はじめまして
FRDM-KL25Z、私も先日購入しました。
CodeWarriorで遊んでますがもったりとして遅いですね。
ichiro さん、コメントありがとうございます。
CodeWarrior 10 からは Eclipse ベースですからねぇ。
まだ試してはいませんが、OpenSDA のデバッグサーバ経由で ARM 用の gcc/gdb が使える筈です。
あるいは mbed みたいなクラウド開発環境が使えると良いですね。
masatoさん、gdb試してみました。
gdbはcygwinのものを、gdbサーバはP&Eのフリー版をWin7にインストール、無事FRDM-KL25Zにつながりました。
フリー版は速度などの制限があって遅いみたいです。
有償版はGDB Server for Kinetis, Professional Edition US$299だそうです。
> フリー版は速度などの制限があって遅いみたいです。
えーっ!それは知りませんでした。
仕様がオープンならオープンな実装も出ませんかね。
それでこその OpenOCD 対抗だと思うのですが。
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