Sat 01/06, 2007

不揃いの活字たち [Books ]

Think年末にちくま書店から「クラフト・エヴィング商會」プレゼンツ、吉田音著の文庫2冊が出た。

それぞれ、同名の単行本の文庫化であるのだけれど文庫化にあたって加筆訂正などが多いため、単行本を持っていても欲しくなってしまうのだ。

それはともかく、ざっと目を通してみたところ、「夜に猫が身をひそめるところ ─Think」の一部の章でフォントの並びが妙にアンバランスなのに気が付いた。引用したのはその一部で、かな文字の中心に赤線を引いてみたところ。こうして見ると漢字のそれと合っていないことが良く判る。横書きならベースラインで揃える事もあるが縦書きでそれはないだろう。また、漢字に比べてかなの大きさが通常より小さめで、拗音等を示す小さなかなは大きい。更に細かい事を言えば、かなに続く漢字の文字間隔が狭い。これは何かの効果を狙っているのだろうか。良寛風なのか。装丁にも凝るクラフト・エヴィング商會の本だけに悩んでしまうが、恐らく何らかのミスだと思われる。単行本のほうではこのようなことはなかった。

「不揃いの活字たち」とは書いたが、活字はとうの昔に使われなくなったから、これは正確な表現ではない。font と言い換えても同じだ。それでは何と呼べば良いだろう。

[2006.01.09]
「夜に猫が身をひそめるところ」の件については私同様に気にされている方がいらした。
何故か憂鬱な休日 [ペンギンブックカフェ]

[2007.01.16]
筑摩書房の Web サイトで「読者の感想」としてポストしたら掲載されていた。でも回答は無い。

[2007.01.17]
印刷ミスであり、交換に応じると告知があった。

Web を検索すると文庫版の書評も散見されるが、この件について言及しているのは上記のペンギンブックカフェさんのみだ。皆さんは寛容なのだろうか。あるいは既に修正済みの版が流通していて、この版はあまり出回っていないのか。

[2007.01.24]
1.23 付の筑摩書房のお知らせページで「『夜に猫が身をひそめるところ──Think』 印刷不良のお詫びと交換」が告知された。先日の告知で既に郵送していたのだが、連絡によると発送は少し遅れるとのこと。

[2007.02.03]
交換品がちくま書房から届いた。件の箇所は正常になっている。奥付は第一刷のまま。 店頭には未修正のものがまだある。店によっては "Bolero" があっても "Think" が無いところもあるから、未修正版の出荷は停止されているのだろう。

Posted by masato at 10:54 AM
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コメント

はじめまして。コメント・トラックバックありがとうございました。
やっぱりミスだよねぇ。
一番あってはいけない本で起きた、非常に残念な出来事、かな?
これからもちょくちょく寄らせていただきます。

Posted by: ペンギン店長 at 01/09, 2007 07:34 PM

ペンギン店長さん、コメントをありがとうございます。
ちくま書店に問い合わせてみる、てのは野暮ですかね。

間違って二度トラックバックを送ってしまいました。ゴメンなさい。

Posted by: masato%管理人 at 01/09, 2007 11:17 PM
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