Wed 10/01, 2003

百鬼夢幻、そして積読 [Books ]

Jun Hashimoto河鍋暁斎絡みで軽い読み物を。橋本純の「百鬼夢幻・河鍋暁斎妖怪日誌」と「ホーリーメイデン・碧の瞳の少女」。「百鬼夢幻」は河鍋暁斎その人が主人公で、以前に紹介した畠中恵の「ぬしさまへ」や「しゃばけ」のような味わい。「ホーリーメイデン」は「百鬼」のほうにも登場したジョサイア・コンデルの娘、ヘレンが主役のジュニア小説。「百鬼」の続編とも言え、シリーズ化されそうな雰囲気もある。両方とも決して読み応えがあるというような作ではないが、読んでいて気持ちが良いのは作者が暁斎やコンデルのことが好きで堪らないからなのだろう。

Books 20031001ついでの最近の積読。

  • 興津要 「仮名垣魯文 - 文明開化の戯作者」
    暁斎と同じ時代に生き、交流もあった戯作者、仮名垣魯文の伝記。現代のマスコミ業界人の走りなのか。文明開化の時勢に乗り、売れっ子となるも、その晩年は不遇であったと言う。
  • 西炯子 「お手々つないで」
    初対面プレイとは何か。そして観光客プレイとは。
  • 鈴木みそ 「銭 - 壱巻」
    お子様に読ませたい資本主義経済学漫画。高校くらいまでは社会科でこういうことを教えたほうがいい。
  • 黒田硫黄 「映画に毛が3本!」
    映画館に足を運ぶことはおろか、ビデオもテレビもろくに見ないというのに。
  • 紀田順一郎 「東京の下層社会 - 明治から戦前まで」
    多くの人が見て見ぬ振りをし、そして忘れてしまった下層社会の歴史。北海道人にとって「部落」は単なる地域の呼称で差別的な意味は持たない。でもこの本に出てくるような貧困が無かった訳ではもちろんない。
  • 鶴田謙ニ 「Forgrt-me-not」
    Forgrt-me-not とは忘れな草のことだな。
  • 池上幸ニ郎/倉田文夫 「本のつくり方」
    中身(文章)ではなくて物としての本のつくり方。
  • 橋本治 「ひらがな日本美術史5」
    シリーズ5巻目。芸術新潮の今月号には橋本氏による特集記事が掲載されている。たしか「ひらがな」にはまだ採り上げられていない筈だが、橋本氏による暁斎評を是非読んでみたい。


Posted by masato at 11:43 PM
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