「ぬしさまへ」は「しゃばけ」で日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した畠中恵のシリーズ第二作。相変わらずの軽いタッチで楽しく読める妖怪小説。若手でこういった時代小説の書き手というと、京極夏彦だけど読むには気合いが要るし、宮部みゆきもちょいと食傷気味かなという時に一服の清涼剤的な存在。奇しくもこの三人とも私と同年代だ。その辺りが私にとって受け入れ易い理由になっているのかも知れない。畠中恵は近い将来、このシリーズでシリアスな長編を書くのではと私は予想しているのだけれども、どうだろうか。軽い、薄っぺらだという評もあるようだが、そのような読者もきっと見直すに違いないと期待している。
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