Mon 10/13, 2003

文楽見物 [Art ]

父に誘われて文楽(文楽協会、2003 秋の地方公演)見物に出かけた。文楽を見るのはこれが初めて。文楽とはいわゆる人形浄瑠璃のこと。地方公演ということもあってか、始めに簡単な解説がある。文楽は、物語を語る太夫、三味線、人形遣いの三業からなる総合芸術であるということ。太夫は一人ですべての役の台詞と地(ト書き)も語ること。三味線は伴奏ではないということ。人形遣いは、主遣い(頭と右手を担当するリーダー)、左遣い(差金によって左手を扱う)、足遣いの三人からなるということ。等々。

柝(き、拍子木のこと)がチョーンと打たれ、トザイ、トーザイと声が響いて開幕だ。

三世桐竹勘十郎襲名披露の今日の出し物は「絵本太功記」、それに「釣女」。ともに歌舞伎などでもお馴染みの題目。歌舞伎には人形浄瑠璃の演目を元にしたものも多いのだ。夜の部は伽羅先代萩だが、こちらは見ていない。浄瑠璃語りは思っていたほどに聞き取れない訳ではないが、初心者にはちょっと厳しい。おまけにこうした舞台では物語を通しで演じることはまずないから尚更だ。それでも十分に楽しめる。目や口が動くものの基本的には表情の無い人形が、太夫の節と三味線に乗り、人形遣いに操られて生命をもったように動く。人形遣いは黒衣であるが、主遣い方は顔を晒している。それが邪魔にならない。大げさな振り、突拍子もないような話の筋も自然に受け入れられてしまう。伝統芸能の奥深さを垣間見たように思う。

Posted by masato at 09:23 PM
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